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賭博者 (ドストエフスキー) : ウィキペディア日本語版 | 賭博者 (ドストエフスキー)[とばくしゃ]
『賭博者』(とばくしゃ、)は、フョードル・ドストエフスキーの長編小説。1866年に出版された。 ルーレットの狂気と、それにより身を滅ぼしていく人々を描く。 == 概要 == 1860年頃、ドストエフスキーはポリーナ・スースロワと恋仲にあったが、彼女はドストエフスキーの態度が不満だったのか、ドストエフスキーの不在時にスペイン人医学生と関係を結ぶなど、その交際は不純なものであった。それでもドストエフスキーは彼女を赦し、「兄と妹」という関係でイタリア旅行に出かけるが、彼女との冷めた関係への腹いせに行く先々でルーレットに明け暮れた。一般にこの時の体験が『賭博者』の元になったと考えられており、ポリーナは作中のポリーナ・アレクサンドロヴナ・プラスコーヴィヤのモデルになったのである。 しかしながら、身内の不幸や泥沼に陥ったポリーナとの恋愛関係などが重なって執筆は遅れ、1866年になって追われるように書き始めた。これは、ドストエフスキーが全集の版権を売り渡していたステロフスキーとの間で、1866年11月1日までに新作の長編を書くことを約束していたためで、これが履行されない場合には、以後九年間のドストエフスキーの著作は一切の印税なしにステロフスキーが出版できることになっていた。しかし、ドストエフスキーは同年1月から『罪と罰』の連載を始めていたため、とても長編の執筆に没頭する余裕はなかった。そこで、2番目の妻となる速記者アンナ・スニートキナなどの協力を得て、口述により27日間で本作を完成させ、期日ぎりぎりの10月31日にステロフスキーに原稿を渡して事無きを得たのである。
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